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―いよいよメディア事業部が本格稼働ですね
香月:Web分野での新たなチャレンジです。今年の4月に、メディア事業部を立ち上げました。昨年にはWebの優秀な人材採用にも成功し、チャレンジする体制も整いました。
このメディア事業部のコンセプトは、「企業が持つWebサイトのメディア化」です。現在、多くの企業では自社のWebサイトのアクセス数を上げるために高額な予算を投じています。SEOやリスティングなど、マーケティング面の施策によって一時的にアクセスを集めるやり方です。
しかし、そもそもそのWebサイトの内容自体に魅力がなければ、たとえ一時的にアクセスが集められても、継続的にアクセス数を上げ続けることは難しいんです。そこで当社は、企業が持つWebサイトをメディアとしてプロデュースして、常にユーザーが集まるメディアにサイトを変えるお手伝いをしています。
―自社のサイトをメディアにしてしまうんですか?
企業が持つWebサイト(自社サイト)は、立ち上げるときには大金をかけて、いろいろと試行錯誤をしていると思うのですが、これがなかなか続かない。
どうしても、更新が滞ってしまって、いつまでも過去の記事が掲載されていたり、ターゲットにしているユーザーとは合わないコンテンツを作ってみたりと、折角情報をダイレクトに発信できるツールがあるのに、有効に活かされていないんです。
だったら、ターゲットユーザーが、どんな情報を求めて自社のサイトに来るのか、またはどんな情報を発信したら、ターゲットユーザーが来てくれるのかを突き詰めて考えて実行すれば、ファンになってくれたユーザーのクチコミで、新しいユーザーも来訪してくれるんじゃないかと思ったんですね。
―ユーザーを自社サイトのファンにしてしまうんですね。
「企業が持つWebサイトのメディア化」の基礎部分は、どんなユーザーに来訪して欲しいのか、そのユーザーはどんな情報をほしがっているかの分析にかかっていると考えています。
これはメディアコンサルティングと言うのですが、その企業の主力の商品が何であるか、商品のターゲット(購買層)は誰なのか、そのターゲットは何の情報を欲しているのかといった企業分析から、既存のサイトのナビゲーションやコンテンツ分析、そしてコンテンツの企画提案や過去のコンテンツの再編集といったことも、ご提案しています。
サイトとターゲットの最適化作業みたいなものですね。
そして、発信する情報となるコンテンツの整理やターゲットマッチしたコンテンツのご提案も欠かせないものになっていると思います。
メディアとしてユーザーに繰り返し来訪してもらって、毎回の更新を楽しみにしてもらうということは、売れている週刊誌をつくるような感覚ですね。
―自社サイトを売れている週刊誌化というのは、難しそうですね。
サイトのテーマを決め、テーマがぶれないようにターゲットマッチする情報を発信する。実はこれ、デジカルの得意技なんです。編集者のスキルが物を言うんです。
デジカルの場合、紙メディアで培った編集のスキルがあります。
これが「企業が持つWebサイトのメディア化」のコンテンツを考える上で、欠かせないんです。
紙メディアである書籍もWebサイトも根本は同じなんです。
「どのように情報を加工して、どのように読者に届けるか」という考え方に違いはありません。違うのは、書店というリアルかWebかという流通手段だけです。
もともと当社には紙メディアの「価値ある本作り」のノウハウがあります。だから、書籍の企画をそのままWebに置き換えれば、後のプロデュース方法は同じなんです。
たとえば、無味乾燥なニュースリリースを読み物としてコンテンツ化する。企業の新商品やキャンペーンをブログという形で発信する。そこに反響があれば、当社が書籍化することもできます。この部分で、当社は数あるWeb制作会社と大きな差別化ができると考えています。
ユーザーも忙しいし、見るべきまた無料で見られるコンテンツは、Webの大海の中には、それこそ数え切れないほど存在します。
その中から、定期的にチェックしてもらってリピート来訪してもらえる”企業サイト”がどれだけあるでしょうか?
もちろん一朝一夕ではできません。
根気がいるプロジェクトであるとも云えます。
それでも、自社発行の優良メディアを創刊し、育てていくと考えてください。
―自社サイトによる効果的な情報発信ということですね。
今、4マス+Web広告に広告宣伝費を多額にかけて、打ち上げ花火的にビューを増やしている企業が大多数ですが、これからは広告宣伝費に無駄に大金を投じるのではなく、企業が持つWebサイト自らが、販促活動/広報活動をできるようになっていかなくてはなりません。
「企業が持つWebサイトのメディア化」の初期コストは、4マス+Web広告の媒体出稿料金1~2本分です。
全体の媒体出稿費の中でもほんのわずかな割合でしかありません。
この辺は、広告宣伝費を再配分(例えば、電波メディアに全体広告宣伝費の40%、新聞に30%投下しているとします。これを電波を39%、新聞を29.5%といったように、分配率をちょっといじるだけで、初期コストなんて捻出できてしまいますよ。勿論、全体の広告宣伝費自体は変わらないですしね。)することによって、確保出来ますね。
そのわずかなコストが、「企業が持つWebサイト」は、自ら情報発信をし、見込み客を集め、最終的な購買行動を後押しできるツールへと生まれ変わるんです。
これこそ、「企業が持つWebサイトのメディア化」であり、自社サイトによる購買行動支援に繋がっていくと考えています。
また、当社には「納品したら終わり」という姿勢はありません。Webサイトは運営、つまりコンテンツの更新と改善が鍵になります。当社はクライアント企業と“伴走”しながら、一緒にWebメディアを育てていくスタンスです。
―最後に今後のビジョンを教えてください。
書籍などの既存事業を中心にしながらも、Webなどの新規事業にリソースを注いでいきます。2年後には、メディア事業を既存事業と同規模にまで成長させたいですね。
また、Webメディアを活用して、世の中に眠っている優れたコンテンツを掘り起こしていきたいと考えています。
たとえば、良い商品を作っているのに、一般的な認知度の低い企業はたくさんあります。当社がそういった企業を探し出して、ユーザーが集まるメディア型のWebサイトをプロデュースする。このプロセスは、実力はあるが認知度の低い著者を探し出して、書籍化することと全く同じです。当社は、書籍という紙媒体でカタチを発信することだけが“出版”ではないと考えています。情報を加工・編集して、最適なメディアを選んで発信する。これも広義の“出版”だと考えているんです。
この10年間、「出版不況」と言われ続けてきました。しかし、書籍のコンテンツそのものの魅力は、テレビやWebなどのメディアに負けていないと思います。出版不況の原因は、既存の流通システムが制度疲労を起こしているからです。現在、インターネットの急速な発展により、既存のあらゆる流通システムが崩れ、メディアの再編成が始まっています。そんな中、いち早く当社が“出版”の新しいカタチを世の中に提示できたらと思っています。